国語が苦手な原因は長文読解?
文字数を理解する、文字に慣れることが重要
まず「長文」といっても学校によって文字数は違います。
一般的な学校の入試問題で多いのは3000字前後の文章です。
3000字程度であれば「物語文」「評論文」どちらも可能性はあります。
しかし難関校の長文になると7000~8000字になることもありますし、最難関校ともなれば1万字を超えるところもあります。
ここまでの字数の場合はたいていが物語文です。
文章全体の流れや主人公の心情の変化などを問題として出しやすいことが影響しています。
試験時間は決まっていますので、このような字数の文章をなんとなくゆっくりと読んでいては読むだけで時間が終わってしまいます。
やはり「文章を読む速度」は最低限必要になってきます。
これは普段からの慣れ以外には上達する方法はありません。
よく「本を読んでいる生徒は長文読解ができる、国語を苦手としていない」というのは本を読む習慣がある生徒は読むスピード自体が速く、要点をつかむことに慣れているからです。
本を読む習慣がないという生徒は長文演習の数をこなすようにしましょう。
この反復練習をすることでかなり成果は期待できます。
場面転換をどれだけ押さえられるかがポイント
文章が長くなってくると「どこで場面が変わったか」を押さえることがポイントとなってきます。
この区切りがないとダラダラと読むことになります。
つまり場面が変わるきっかけを理解していればかなり整理しやすくなるということです。
あまり難しく考える必要はありません。
注意するべきは3つのポイントです。
1つ目は「人」
文章中において、話の中心となっている人物が変わった場合、場面が変わったとみるべきです。
また、その「人」が主人公とどのような関係にある人物なのかをはっきりさせておきましょう。
メモ程度に関係図を書くのも良いでしょう。
これは登場人物が多くなってくる長文にはかなり効果的な方法です。
2つ目は「時間」
文章の中で時間が流れたときは場面が変わります。
「その日の夜」「あくる日の朝」「一週間後」「そして2年の月日が流れた」というような記述があれば、必ずチェックしましょう。
時間が流れたことによって場面は変わりますので、またそこから整理をしていかなければならないからです。
3つ目は「場所」
たとえば山の中や河原で子どもたちが遊んでいたシーンから、家で夕食を食べているシーンに変われば明らかに場面が変わっています。
これは「一方そのころ~では」という表現でも書かれることがある代表的な場面転換の方法です。
このような場面が変わるポイントを押さえておけば文章が長くなっても整理がしやすくなります。
登場人物の心情の変化を読み取る
長文問題で出題の中心となるのは主人公をはじめとする登場人物の心情に関する問題です。
「○○は腹を立てた」とはっきり書いてくれればわかりやすいのですが、難関校になればなるほど心情をはっきりとは書いてくれません。
そうなると他のヒントから判断していくことになります。
人物の心情を判断するヒントは実は数多くあります。
わかりやすいのは「言葉遣い、行動」でしょう。
いつも丁寧な言葉遣いの人がきつい口調で話していればおそらく怒っているのでしょう。
ドアを強く閉めたり、壁を蹴っていたりしていても同様です。
ただしそれが心情の変化ではなく「性格」であることもありますので注意が必要です。
いつも乱暴にドアを閉めているのであればそれは性格ということです。
また、「表情」もあります。
これは比較的わかりやすいヒントです。
他には「服装、ファッション」というものがあります。
華やかで派手な服装の時などは強く心情が出ています。
小学生くらいの人物が中心の話で「フリルのいっぱいついた花柄のワンピース」を着ている女の子と「髪が短く、いつもTシャツに半パン」の服装の女の子
では心情や性格にかなりの差があるはずです。
変わったところでは「天候」などで心情を表すこともあります。
劇的な知らせが届いたときに家の外で雷を伴った大雨があったり、すべての問題が解決したときの空が青々と晴れ渡っていたりするのもその時の心情が表れていると判断するべきです。
そういった心情、性格などを正確に判断していくことが問題を解く際に大いに役立ちます。
本文を読んでいるときに「人物の心情や性格」に関するような部分があれば線を引くなどしてチェックしておきましょう。
まとめ
長文読解を上達させるには時間はかかりますが「文章に慣れる」ということが一番確実です。
長文に慣れていない生徒がいきなりスラスラと長文読解はできません。
正しい解き方や読み方を押さえながら、本を読んだり長文演習を行うことがもっとも重要であると言えるでしょう。