論説文が苦手なお子様向け 勉強テクニック
論説文は物語文のように読んでいて楽しいということが少ない説明的文章のために、より苦手とする生徒が多い分野でもあります。
しかし受験には文学的文章と同様によく出題されることからしっかりと勉強はしておかなくてはいけません。
そこでここでは論説文が苦手なお子様向けの勉強方法を紹介していきたいと思います。
▼目次
論説文のポイントは説明文とは違う部分である
論説文も説明文もどちらも説明的文章ですが、大きく違っている部分があります。
説明文は何かのことがらについて説明をしている文章です。それに対しては数値やデータなどが用いられてわかりやすく説明されます。論説文はその説明文に論、すなわち「作者の意見」が加えられたものです。そのため論説分のポイントは作者の意見、作者が何を言いたいのかということになります。
読みやすい論説文ではたいていが「対比」が使われます。何かのことがらについて「賛成」「反対」のどちらかの立場に立って意見を述べているものです。
原子力発電に賛成、反対。
住むのなら都会、田舎。
優先させるのは仕事、プライベート。
のように二つのことがらを並べて作者がどちらの側に立って意見をしているかを判断していくことになります。この作者の意見の部分が説明文との違いということになります。
テーマ、キーワード、作者の意見、意見の根拠を探していく
まず説明的文章ですので、文章のテーマをはっきりさせておきましょう。
テーマは「文章のタイトル」、「文章の最初と最後の段落」などに書かれていることが多くあります。何について書かれている文章なのかを把握するところから始めるのです。そしてキーワードを探します。
これは「何回も出てくる言葉」「結局」「つまり」「ようするに」という決め手となる言葉の後に続く単語などが怪しいと言えます。
キーワードを押さえておくと文章を読み取る際にも使えますし、設問に答えるときにも便利です。そして作者の意見ですが、これは比較的すぐに見つかります。
「〜するべきだ」
「〜と思う」
「〜ではないだろうか」
「〜なのである」
という言い方を作者がしている部分があれば、そこが主張したい部分ということになるからです。論説文の一番のポイントである作者の意見はこのようにすぐに見つかります。
では論説文はなぜ長いのでしょうか。それはその作者の意見、主張の「根拠」が書かれているからです。
作者の意見を後押しするような根拠が数値やデータ、アンケート、他人が検証した結果、作者自身の経験や体験といったものから記されていきます。過去の研究者や文学者が書いた本を根拠として紹介されることもあります。
本文を読んでいるときに「テーマ」「キーワード」「作者の意見」「根拠」などに線を引いておくなどして印をしておけばあとで問題を解く際に大きなヒントになるでしょう。
効率的に論説文を読んでいくには
作者の意見や主張をわかりやすくしているのはやはり「接続詞」「接続語」です。
・逆説の接続詞…しかし、けれども、ところが、でも、だが…など
・順説、説明の接続詞…だから、なぜなら、というのは…など
・換言の接続詞…つまり、要するに、このように、すなわち…など
といった言葉が出てきたときにはその後に重要な単語や文がくることが多くあります。
基本的なことではありますが、やはり接続詞には注意しておきましょう。もう一つのポイントは論説文では作者は「珍しい、意外な、一般とは逆の」意見を主張することが多くあります。
一般的なことを主張するのは簡単で当たり前なのですが、そんなことを主張していても普通ですので何も目立たないからです。作者は自分の意見を際立たせるためにあえて「珍しい観点」「意外な意見」「一般とは逆の主張」を行うのです。
そういった意見は目立つので、問題を解く側からすると「見つけやすい」というメリットがあります。しかし、一般的な意見ではないために「共感しにくい」「理解しにくい」ということがあるかもしれません。
記述で解答する場合はできるだけ楽をする
生徒が苦手な問題に「〇〇字以内で説明しなさい」という記述問題があります。こういった問題は国語が苦手な生徒は空欄のままということも多いのですが、これは難しく考えすぎということも影響しています。
「抜き出しなさい」の場合はもちろんですが、「説明しなさい」の場合でもできるだけ「本文中の言葉をそのまま使う」のが正解です。自分で文章を考えるとなると時間もかかりますし、間違える可能性も高くなります。
本文中の言葉を使えば、楽な上に間違える可能性は低くなるのです。できるだけ楽をするというのが実はポイントです。
まとめ
論説文というだけで難しいと思ってしまっている生徒がいるかもしれませんが、実は論説文はコツさえ知っていれば非常に簡単に点数が取れる分野でもあります。
読み方と解き方のポイントだけ間違わないようにして、上手に論説文をこなしていきましょう。